ネットカンパニー・イネオス(イネオス・グレナディアーズ)は2026年6月25日、若手有望株オスカー・オンリーが肩の重傷により、7月4日に開幕するツール・ド・フランス2026を欠場することを公式に発表した。昨年大会で総合4位という好成績を収め、今年はケヴィン・ヴォークランとともにチームの総合成績(GC)におけるリーダーの一人として期待されていたオンリーの欠場は、イネオスにとって大きな痛手となった。
事故の経緯――峡谷の縁から落下も、奇跡的に完走
オンリーは6月上旬に開催されたツール・オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ(今季から「クリテリウム・デュ・ドーフィネ」が改称されたレース)第6ステージで落車。道路脇の峡谷の縁を越えて転落するという危険な事故に見舞われながらも、なんとかそのステージを完走するという驚異的な走りを見せた。しかしレース後の精密検査で肩に重大な損傷が判明し、その後のステージへの出走は見送られることになった。イネオスのレーシングディレクターを務めるゲラント・トーマスは、オンリーが「肩の脱臼と、膝にも欠損がある」状態だったと明らかにしている。
「悔しい」――本人とチームのコメント
オンリー本人は「ツール・ド・フランスに出場できないことに悔しさを感じている」と語り、「今は肩の回復に専念している」とコメント。チーム側も「彼は励みになる順調な回復を見せている」と説明しており、今シーズン中の復帰に向けてリハビリを進めている様子がうかがえる。とはいえ、最大の目標であったツール・ド・フランスへの出走が叶わなかったことは、本人・チームともに大きな失望であることに変わりはない。
追い打ちをかけるヴォークランの感染症
イネオスにとって悩みは一つではない。もう一人のGCリーダー候補であるケヴィン・ヴォークランも、ウイルス感染と細菌感染の影響でフランス国内選手権を欠場することが6月23日ごろに伝えられている。本人は「今は健康を最優先する」と述べ、回復に専念する方針だ。ツール・ド・フランスへの出走可否については本稿執筆時点でまだ明確になっていないが、開幕までのコンディション作りに不安要素を抱えていることは間違いない。
イネオスの新たな希望はカルロス・ロドリゲス
オンリーとヴォークランという二枚看板が同時に不安要素を抱える中、イネオスのツール・ド・フランス戦略において急速に重要度を高めているのが、25歳のカルロス・ロドリゲスだ。チーム内では「信頼できる重要な選手」と位置づけられ、その強みは山岳ステージでの安定感とロスの少なさにあるという。「スペイン最高峰のGC選手」とも評され、コンディションが整えばワールドツアーのステージレースでトップ10入りを争える実力を持つとされている。オンリー、ヴォークランの欠場・不調が伝えられる中、ロドリゲスへの期待はこれまで以上に高まっている。
まとめ
イネオスは当初想定していたよりも厳しい状況でツール・ド・フランス2026のスタートラインに向かうことになった。それでもカルロス・ロドリゲスという「保険」を持ち、さらに前述のとおり国別選手権ではトビアス・フォスやミハウ・クフィアトコフスキがタイムトライアルで好調を示すなど、チームに明るい材料も残されている。7月4日のバルセロナでのグランデパールで、イネオスがどのような布陣を組んでくるのか注目したい。
出典:
- Cyclingnews – Netcompany Ineos announce that Oscar Onley will miss the Tour de France
- idlprocycling.com – Another leadership blow for Ineos: Oscar Onley confirmed out of the 2026 Tour de France
- CyclingUpToDate.com – Ineos suffer another potential Tour de France blow: Vauquelin suffers virus and a bacterial infection
- CyclingUpToDate.com – Carlos Rodriguez: Netcompany Ineos’s hope for the 2026 Tour de France

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