ヨーロッパ選手権2026

現代サイクリング界を代表するチャンピオン、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)が2026年10月4日、スロベニアのシェンチュール(Šenčur)近郊で行われたUECヨーロッパ選手権男子エリートロードレースで優勝した。宿敵ジュリオ・チッコーネ(イタリア)との息をのむような2強対決を、最後は写真判定で制したエヴェネプール。「最後に欲しかったジャージをついに手に入れた」と語るこの勝利は、エリートレベルでの8冠目という偉業でもあった。

ロードレースで集団を成して走るサイクリストたち
出典: Pexels / 撮影者: Nasirun Khan / ライセンス: Pexels License(商用利用可・帰属表示推奨)

レース概要——196kmの山岳戦、核心はモッジャンカの急登

コースはスロベニアの首都リュブリャナを起点に、シェンチュール近郊の22kmの周回コースを5周する全長196.3km、獲得標高約2,500mという山岳色豊かなレイアウト。コースの核心部に据えられたのが「モッジャンカ(Možjanca)」の急登だ。距離2.1km・平均勾配10.3%というこの坂は終盤に繰り返し登場し、選手たちを容赦なく絞り込んでいった。

ベルギーチームは序盤からエヴェネプールを守る形で集団コントロールを徹底。残り60kmを切った段階で上位争いのメンバーが厳選され、さらに残り37km地点でエヴェネプールとチッコーネが揃って攻撃を仕掛け、2名での先行逃げが決定的な形となった。

最後の100mで逆転——写真判定の結末

最終コーナーでインを取って先行したチッコーネ。観客の誰もがイタリア人クライマーの勝利を確信しかけたその刹那、エヴェネプールが驚異の末脚を爆発させた。残り100mから鬼気迫る加速で追い上げ、両者がほぼ同時にフィニッシュラインを跨いだ。結果は写真判定——エヴェネプールが際どく先着し、タイムは2人とも4時間16分37秒と同着記録された。

「チッコーネが100m手前から失速し始めたのが見えた。信じて全力で踏んだ。あとは神様次第だと思っていた」とエヴェネプールは語った。3位にはチェイスグループを抜け出したクリスチャン・スカローニ(イタリア)が59秒差で入った。

最終表彰台

1位:レムコ・エヴェネプール(ベルギー) — 4時間16分37秒
2位:ジュリオ・チッコーネ(イタリア) — 同タイム
3位:クリスチャン・スカローニ(イタリア) — +59秒

エリート8冠——チャンピオンシップ全コンプリートの偉業

今回のヨーロッパ選手権制覇は、エヴェネプールにとってエリートレベルでの通算8つ目のチャンピオンシップタイトルであり、世界選手権・オリンピック・国内選手権など主要なすべてのチャンピオンシップジャージを制覇するという偉業を完成させた。「チャンピオン・オブ・チャンピオンズ」の称号を全て手中に収め、「このジャージだけがまだコレクションになかった。ようやく全てが揃った」と喜びを語った。

現在レッドブル・ボーラ・ハンスグローエに所属するエヴェネプールは、タデイ・ポガチャルとともに現代ロードサイクリングの二大巨頭として世界中のファンを魅了し続けている。オールラウンダーとしての圧倒的な能力に加え、こうした頂点レベルでの精神的な強さが際立つ選手だ。

まとめ——次はイル・ロンバルディアの最有力候補として

ヨーロッパ選手権直後に控えるのが、10月10日(土)開催のモニュメント「イル・ロンバルディア」(ベルガモ〜コモ、239km)だ。5年連続優勝のポガチャルが今年は欠場となり、エヴェネプールが誰もが認める最有力候補として臨む。過去2年連続で惜しくも2位に終わっているだけに、「悲願の初制覇」に向けた意気込みは並々ならぬものがある。ヨーロッパ選手権での好調を維持したまま、歴史的な週末となるか注目が集まる。

参考・出典: Cyclingnews — UEC European Championships: Remco Evenepoel snatches photo finish victory / ProCyclingUK — Remco Evenepoel wins 2026 European Championships / Cycling Up To Date — Results European Championships 2026

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